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■高松宮記念・展望

春のスプリント王を決定するGⅠ・高松宮記念。
今回のレースにあたって、最も検討が必要な項目は「新装・中京コースへの適性」かもしれません。
スプリント戦では、“スピードの絶対値”や“キレの鋭い末脚”といった馬自身の能力が結果に反映されることが多いのですが、その能力を発揮できるかどうかについては、コースの向き・不向きが重要なカギであることは言うまでもありません。まして今回は、どの馬にとっても初となる新しいコース。まずは、新装・中京コースの特徴を十分に考察する必要があるかと思います。

先週までに行われた中京芝1200mのレースは6鞍。最も高いクラスが1000万なので、GⅠ予想の参考にするには心もとない部分もありますが、それでも特徴らしきものは見受けられます。

●異常なほど時計がかかる馬場
これまでの最速タイムは良馬場で1分10秒4(3月4日の1000万クラス)。例年よりも2秒は遅い時計です。原因として考えられているのは、洋芝の丈が長く重いこと。さらに、直線に急坂が出来たことによって、ペースを握る逃げ馬が失速するため、上がりがかかる展開になっています。
このことから、「スピードで押し切るのは難しく、長く脚を使えるパワー型に向いているコース」という見方ができると思います。1200mがベストの生粋のスプリンターよりも、坂を上がってからもうひと伸びできるエンジンを備えているタイプ。持続力やスタミナを基準とするならば、1400m以上の距離での好走歴もひとつの判断材料になるかもしれません。

●後半よりも前半が速い前傾ラップ
以前の高松宮記念にも同様の傾向が見られましたが、新装・中京芝1200mで行われたレースも、6鞍すべてが前半が後半よりも速いラップで通過しています。これには、コース形態が大きく影響していると考えられます。
スタートから3コーナーまでの距離が短くなったため、主導権の奪い合いが激しくなったこと。さらに、3~4コーナーにかけての下り坂でスピードが上がること。そして、直線の坂でペースが落ちることなどが原因と言えるでしょう。
こうしたラップの形に適応できるのは、序盤に脚を溜めながらも無理なく追走でき、全体のペースが落ちたあたりで加速できるタイプ。後方から一気の追い込みも可能性がないとは言えませんが(実際に4角後方16番手からの差し切り勝ちもありました)、それよりも、好位・中団あたりから抜け出して伸びてくる走りの方が理想的かもしれません。

●外差しも要注意
新装・中京の芝のレースに関しては、基本的に「内枠有利」というデータが示されているようです。ただし、1200m戦に限れば、そのあたりは不問。枠順に関係なく、最後まで脚を使えるかどうかがポイントでしょう。外枠に入ったとしても、距離のロスを補って余りあるだけの持続力があれば、馬群の外から差し切れるケースもあると思います。
さらに、開催8日目のレースということで、馬場の内ラチ沿いが荒れてきたのも事実。内枠の馬については外に出せるかどうか、外枠の馬については直線でどのあたりにいるかといった、位置取りに関しての検討が必要かもしれません。


土曜日午後の時点で、前売り単勝1番人気に支持されているのは、“スプリント界の新星”との呼び声も高いロードカナロア。
現在5連勝中。とりわけ、前走のシルクロードS勝ちは圧巻で、届きそうもない位置から一気に差し切り、2着馬・エーシンダックマンに0.4秒差をつける完勝でした。以前は一本調子の先行型という印象もありましたが、ここにきて脚質に幅が出てきたように思います。
この馬の強味はスタートの速さ(最初の数完歩の速さ)。好位につけるスピードがあり、そこから一旦脚を溜めて、最後にもうひと伸びできる余裕のある走りができています。先行力と瞬発力を兼ね備えた資質の高いスプリンターと評価していいでしょう。
スポーツ紙等では、ロードカナロアの不安材料として、「初の左回り」「直線の坂」を挙げています。たしかに、それらは未経験の要素としての課題には違いありませんが、トップクラスのスプリンターであればクリアできる条件ではないでしょうか。多少の得意・不得意はあるにしても、GⅠレースで有力候補になるほどの能力を備えている馬ならば、「回り方」や「坂」が大きな壁になるとは思えません。

むしろ考えるべきは、ロードカナロアの走りが新装・中京コースに適しているかどうかという点でしょう。
近走の連勝は小倉・京都といった軽い芝の馬場でのもの。この馬の走りそのものも重厚なパワー型というよりも自在に脚を使えるスピード対応型というイメージがあり、今の中京芝に合うかというと、しっくりこないようにも思えます。
加えて、最内枠に入ったことで、荒れたインを走らなければならないリスクも生まれました。重馬場の坂路で1番時計を出せるのはパワーがある証拠という声もありますが、競走馬がせめぎ合うレースにおける重い馬場をどう克服するかが課題になるかもしれません。
また、ラップに関しても、前半よりも後半が速くなる上がり勝負の決着が目立ち、特に福永騎手に乗り替わってからの近3走は前半と後半のラップ差が大きくなっています。言い換えれば、中京芝1200mのレースの形とは逆のパターンで勝ちを重ねてきたということ。今回、レースのペースを握ると思われるエーシンダックマンは、重馬場のオーシャンSでも前半33秒台前半で通過した逃げ馬ですから、おそらく前傾型のラップになることが予想されます。スピードやペースではなく、レースの形に対応できるかどうか。これもまたひとつの課題になりそうです。

昨年のGⅠ・スプリンターズSを制したカレンチャン。
前走のオーシャンSは4着に敗れましたが、休養明けのうえ牝馬で56キロの斤量という条件。当日のテンションも上がり気味で、万全のコンディションではなかったという見方がされています。
1走叩いた今回は当然上積みが見込め、陣営も「前走でいいガス抜きができた」とコメント。実績面も踏まえて、能力を発揮できる状態にあるのならば、間違いなく有力候補でしょう。
新装・中京コースへの適性については、昨年夏に北海道で結果を残していることから、重目の馬場は得意と判断できると思います。また、ラップに関しては、函館SS、キーンランドC、そしてスプリンターズSも前傾ラップを刻んでの勝利。適応できる可能性は高いと考えていいかもしれません。

不安要素をあげるならば、ローテーション。
昨年のスプリンターズSは、夏場に調子を上げて連勝のピークを迎えた時点での勝利。夏の上がり馬の勢いがありました。一方、今回は休養明けの1戦を落としての参戦。上積みが見込めるとはいえ、昨年夏の状態に戻っているかどうかという懸念があります。
さらに、当初は高松宮記念直行と表明していながら、なぜ56キロの斤量を背負わなければならないオーシャンSをあえて使ったのかという点。額面通りに受け取れば、1走叩いて本番という図式になりますが、穿った見方をするならば、状態を戻すためには実戦を使わざるを得なかった(調教だけでは状態が上がらなかった)とも考えられます。となれば、心配なのは、56キロの斤量を背負って重馬場を走った反動。万全ではない状態に重い負荷がかかったことが、マイナスに作用する危険性も否めません。

昨年の高松宮記念2着馬のサンカルロ。
スプリントGⅠでの好走歴がありながら、1200m戦での勝ち鞍なし。適距離は1400mという判断もできます。
もっとも、新装・中京の特徴を考えれば、1400mでの良績はプラス材料とも思えます。直線半ばまで脚を溜めて、最後に伸びてくる脚質なので、坂を上ってからの勝負になるのが理想的かもしれません。
ただし、今回の枠順(8枠17番)はこの馬にとってはマイナス。キレる差し脚の持ち主なので、外から飛んでくるイメージもありますが、本来は前に馬を置いて脚を溜めた方がいいタイプ。「もう少し中の枠がよかった」という陣営の本音も聞こえています。
さらに、どちらかといえば、左回りよりも右回りの方が得意な馬。仮に、左回りの走りにスムーズさを欠く面があるのならば、外々を回らされるリスクのある外枠は、より不安材料になるかもしれません。

前走、阪急杯を制したマジンプロスパー。
押し出される形で直線先頭に立ち、そのまま押し切った内容は評価できると思います。ちなみに、このレースは前傾ラップを刻んでの勝利。重い馬場への適性は未知数ですが、1400mには〈3.0.0.1〉の良績あり。阪急杯の走りからは、パワー型という印象も受けました。重賞経験の少なさから、格下感は否めませんが、大駆けがあってもおかしくない面白い存在のようにも思えます。
あとは、展開。
基本的には前に行く馬なので、エーシンダックマンを深追いするような形になると、直線でおつりがなくなるかもしれません。それなりのポジションを取って無理なく追走できるかどうかがカギでしょう。

昨年の高松宮記念では1番人気の支持を受けたジョーカプチーノ(結果は10着)。
当時は、マイルからの距離短縮でスプリンターとしての素質が開花したようにも見えましたが、その後の戦績は今ひとつ。逃げ一辺倒の走りから差しに転じるレースも試みたようですが、現時点では自分の走りが確立されていないようにも見えます。
それゆえ、今回の注目は、連続騎乗となる内田博騎手がどのような乗り方という点。あてにならない面があるとはいえ、過去にはその潜在能力をレースで発揮した実績があることも確か。近走にしても、着差はそれほど離されていないこともあり、好走の可能性がゼロとは言い切れないと思います。

これまでのスプリントGⅠでは、常に上位人気に支持されてきたダッシャーゴーゴー。
度重なる降着や不利などにより、結果が伴わない形になっていますが、スプリンターとしての元値は高いと言えるでしょう。とにかく、この馬の場合は、スムーズな競馬ができるかどうかがポイント。そのあたりは、横山典騎手の手腕にかかっているかもしれません。
新装・中京への適性に関しては、2走前の交流ダートGⅠで3着に入ったことから、パワー型という見方もされているようですが、距離の融通性は1200mがギリギリという印象も。加えて、近走の勝ち鞍は、前半よりも後半が速い上がりのレース。微妙な部分があります。

前走、1600万の山城Sを勝って、昇級戦でGⅠに挑戦するアグネスウィッシュ。
末脚のキレが持ち味の馬で、後方から確実に脚を使ってくるタイプ。ハイペースで追い込みがきく展開になれば浮上してくるかもしれません。
もっとも、この馬もロードカナロア同様、近走の良績は小倉と京都。稍重馬場での連対が続いているため、重い中京の芝に適応するかのようにも見えますが、馬場の緩さと芝の重さは異質のもの。それほどの協調材料にはならないと思います。
後方10番手以降から追い込んでくる馬が内枠に入ったのも不安材料。馬場のいい外に出すタイミングがポイントになりそうです。上がり馬の勢いは認めますが、いきなりのGⅠというのは敷居が高いのではないでしょうか。

前走、前哨戦のオーシャンSで2着に入ったグランプリエンゼル。
道悪巧者ですが、函館SSの勝ち鞍もあり、重い馬場への適性はあるかもしれません。近4走で2着が3回。5着に敗れたシルクロードSも、それほど得意ではない上がりの勝負でロードカナロアから0.4秒差。一時期のスランプを脱したという見方もできると思います。
重賞実績や相手関係を考えると、厳しいレースになるとは思われますが、今回のブログで指摘している「新装・中京コースへの適性」がレースに大きな影響を及ぼすようであれば、この馬が圏内に入ってくる可能性があるかもしれません。

その他、穴っぽい馬も何頭かいますが、いずれも条件付き。
逃げ馬・エーシンダックマンは、仮にゴール前で失速しても、後続に対してのセーフティリードを持っていることが条件。
背が低く脚が短い、いかにもパワー型の体型をしているツルマルレオンは、スタートで出遅れないことが条件。
左回りに良績が集中している上がり馬のサクラゴスペルは、近走がいずれもスローの瞬発力勝負だったため、ハイペースの前傾ラップに対応できることが条件。
大穴はタマモナイスプレイ。ブリンカーで走りに集中できることが条件。



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■コメント

■こんにちは。 [ちょび]

こんにちは。
自分なりに予想立てて、答え合わせのつもりで毎回
こちらに伺っております。
もちろん私ごときが考えた要素は
すべて安東さんが書かれていることなんです。
量は、私はせいぜい10分の1程度ですが、
でも書いてあることには違いないわけで
だから毎回私「正解」なんです(笑

グランプリエンゼル本命でいきます。
復調に加え、洋芝・重馬場適性を推します。
距離の融通性は馬券圏内実績がほぼ1200までなので、
ちょっと不安ですが。

カレンチャンを対抗に。
新装中京8日間見てきて、安東さんが書かれているように
1200の参考レースはあまり多くないですが、
直線だけのイメージで芝レース全般考えると、なんていうか
「ずんずんずんずん」と上がってくる馬が勝ってるような。
「スパッ」と切れる感じじゃないですよね。

で、坂を駆け上がれば平坦なので、駆け上がったもん勝ち!
見たいなケースもあって。
特に馬場が渋った今日明日の状態では
勝つイメージの馬は「3~4番手からずんずんずん」。
直線の長さは違いますが、洋芝のカレンチャンのイメージがしっくりきます。
表現が抽象的というかしょぼくてすいません(笑

最後に無理やり(?)アポロフェニックスを。
実は出馬表が出る前から「吉田隼人騎手」「松山騎手」
「藤岡康太騎手」「大野騎手」あたりは買おうと思っていました。
あまり関係ない要素かもしれませんが、
この8日間、3場開催の新装中京をいわば「ホームグランウンド」のように
してきて、好成績だった騎手たちです。
今年の勝率もなかなかです。
ちなみに新装2日目の中日新聞杯も、1日目の「中京芝2000実績」を
ちょっと参考にして馬券取りました♪
今回2匹目のドジョウ狙いですw

来年のこのレースではもう絶対に無関係な要素ですけど、
新装コースの「慣れ」は少しアドバンテージにならないでしょうか。

しかし現実はシビアで、いざ出馬表確定後にみてみると
狙っていた騎手の方々、
なかなか実績馬・人気馬に乗せてもらうチャンスは少ないようですねぇ。

一応前傾ラップなら少しチャンスありと、
旧中京1200では実績と何気に持ちタイム(時計勝負にならないけどw)も一番の
吉田隼人騎手の馬で初志貫徹です。現在16番人気。ヒャッホー。

以上3頭7/10/14を中心に、サンカルロとベイリングボーイも少し抑えようと思います。
長文駄文失礼しました。

■今年の宮記念で好走できる馬は… [うに]

こんにちは。安東さんの見解を取り入れつつ、私なりに考えてみました。
まずは私が思うには、馬場が渋っているため、先行馬が有利。差しが決まりやすい馬場ですが、G1なので簡単に前が止まらない…はず。
これに期待できそうなのが、マジンプロスパーとカレンチャン。
マジンプロスパーは、阪急杯で見せたスタミナがあれば、今の中京の芝に対応できるのでは。
カレンチャンは、叩いた効果に期待。

次に、差すなら、渋った馬場を苦にしない馬。
グランプリエンゼルとベイリングボーイは、前走、短い直線で差し届かず。今回、長い直線と渋った馬場が後押ししてくれれば。
更にベイリングボーイには、旧中京コースの実績があり、立ち回りの上手さで他馬に差をつけられるのでは。コースは別物になりましたが、コース実績はないよりはマシかと。
サンカルロは、内枠でなくて残念。前走も大外で力を発揮できず、それでも3着。馬場のいい外を走れるのが逆にプラスにならないかな。

上に挙げた5頭は、ハイペースでも脚を溜められるのが強みですね。

ロードカナロアは、内枠がアダになりそうだし、マークもキツそう。なので消し。マークが弱くなる人気薄の大駆けに期待します!

馬場、回復しないで欲しいな…



■ [うに]

こんばんは。
あわよくば3着に入って欲しかった、私の穴馬たち…
嗚呼、甘かった~!!

実績馬の壁は厚いですね。終わってみれば、新装中京コースの懸念材料は何だったのか…
でも、いろいろと考えを巡らして、推理するのって楽しいですなあ。

ちょびさんが書いていらっしゃいましたが、私も、ある程度の予想を立ててから、ブログを拝見してます。
たまに、ギブアップして、カンニングしてますが(笑)。
「わかりませ~ん(泣)」と、書いていた時がそうです。(エヘッ)

私の予想で、変なところがあれば遠慮なく、つっこんでください。
今回の差し馬の件なんか、ツッコミがいがあるでしょ?(笑)。

■ちょびさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
コメント、ありがとうございます!

「ずんずんずんずん」のカレンチャン!
強かったですね~。
私のイメージも、やはり、そんな感じでした(笑)。

新しい中京で好成績をあげている騎手を狙うというのは、大いに「アリ」だったと思います。
ただ、今回は騎乗馬が・・・(笑)
残念でした。

追伸
中日新聞杯、的中おめでとうございます!
松山騎手は巧かったですね!


■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
コメント、ありがとうございます!

うにさんの穴馬たち、来なくて残念でした!(笑)
ただ、穴馬というのは、単に人気がないだけで、走らないとは言い切れませんから。
ブログを読んでくださればおわかりの通り、私もグランプリエンゼルは面白そうと思っていましたし。

今回は結果的に人気通りの決着になりましたけど、うにさんのおっしゃる通り、考えを巡らして推理するところが競馬の楽しさだと思います。

ツッコミどころですか?
先行馬が有利と言っておきながら、ベイリングボーイに色気たっぷりなことでしょうか?(笑)

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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