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■天皇賞(春)・短評

GⅠ・天皇賞(春)を制したのは、14番人気のビートブラック。断然の1番人気に支持されたオルフェーヴルはまったく見せ場もなく11着に敗れました。

レースは1000m通過が60秒0の緩みない平均ペース。ゴールデンハインドとビートブラックの2頭が先行し、離れた3番手にポツンとナムラクレセント。さらに離れて後続馬群という隊列で進みました。
ビートブラックは2周目の3コーナー手前から果敢にスパート。ゴールデンハインドを交わすと、そのままセーフティーリードを保ち、2着馬に4馬身差をつける押し切り勝ち。展開に恵まれたスローペースの前残りではなく、レコードに0.4秒差の好時計(3分13秒8)での圧勝ですから、賞賛に値する走りだったと思います。
一番の勝因は、石橋脩騎手の思い切った騎乗でしょう。時計が速くなる馬場状態を読んで、早め早めの仕掛け。「バテたら謝ろうと思った」というジョッキーコメントもありましたが、結果的には、菊花賞(3着)や京都大賞典(2着)で見せた“スタミナと持続力”(=この馬の持ち味)を発揮できる形になったと思います。完璧な内容だったと言えるでしょう。

2着はトーセンジョーダン、3着にはメンバー最速の上がりをマークしたウインバリアシオン。
複勝圏内という括りで考えれば、人気馬として一応の体裁は保ったようにも思えます。
「もっと早く動いていれば・・・」という声もありますが、スローペースでない以上、前を捕まえに行くには余計な脚を使うリスクが生じますし、後方にいるオルフェーヴルの存在を意識すれば、なおさら早めに仕掛けるのは難しかったのかもしれません。

今後への期待という意味で目を引いたのは5着のギュスターヴクライ。
個人的には、正直、「GⅠの舞台はまだ敷居が高いかな?」と思っていたのですが、大崩れすることもなく掲示板を確保。しかも、3コーナー過ぎに下がってくる馬を避ける不利があり、蹄鉄が外れかけていた状態だったということですから、スムーズならばさらに上位へ食い込んでいたかもしれません。
センスが良くソツのないレースができる馬。他を圧倒して勝つような“強さ”や“凄み”が出てくれば、今後のGⅠ戦線での活躍が期待できるかと思います。

オルフェーヴルは惨敗・・・。
大外枠からのスタートが懸念されていましたが、1周目の3コーナーまでにうまく内目に入ってヒルノダムールの後ろに付けました。もしかしたら、この時点で“オルフェーヴルの勝利”を確信したファンも多かったのではないでしょうか。正面スタンド前を過ぎ、1コーナーから2コーナー。「あとはどこから動き出すか」。注目が集まりました。
ところが、3コーナーにさしかかっても加速する気配はなく、直線を向いた時には絶望的な位置。大外から次元の違う末脚を見せることもなく、伸びを欠いたまま11着に敗れました。

『展望ブログ』では「馬自身の状態面はどうなのか?」といった内容にふれましたが、あるいは敗因はそのあたりなのかもしれません。実際、陣営サイドのコメントには「調教再審査で2週連続ダートコースに入った影響もあるのか・・・」といった言葉もありました。
もっとも、今回のオルフェーヴルの覇気のない走りを見ると、メンタルな部分の影響が大きいようにも思えます。メンタルな部分とは、すでに競馬評論家からも指摘されていることですが、折り合いにナーバスになりすぎたために走りに集中できなかったということ。調教再審査で着用したメンコを付け、道中はひたすら後方で我慢。あまりに折り合いを強要されたために、オルフェーヴルは持ち前の闘争本能にスイッチが入らないままレースを終えてしまった・・・。極端な言い方をすれば、イヤイヤ仕方なく走っている・・・そのような印象も受けました。
馬は一度大敗して歯車が狂うと、リズムを取り戻すまでに大変な苦労があるといいます。敗因は断定できないにしても、今回のダメージは相当なものでしょう。今後、陣営がどのように立て直していくか。現役最強馬の復活を期待しながら注目したいと思います。

最後に今回のレース全体について。
イングランディーレが逃げ切った2004年の春天やクィーンスプマンテが勝った2009年のエリザベス女王杯など、後続が仕掛けのタイミングを逸したために逃げ・先行馬に押し切られたレースを、我々ファンは何度も目の当たりにしています。前例がありながら再三同じことが繰り返されるのは、それだけ仕掛けのタイミング・判断が難しいからなのでしょう。
“激戦”や“手に汗を握る攻防”を期待した側にとっては、「もう少しどうにかならなかったのか」というのが正直な気持ちですが、同時に、長距離戦では常にこういう展開になることを頭に置いておくべきだったとも思います。
専門紙もスポーツ紙も、そして我々競馬ファンも、「オルフェーヴルはまともに走るか?」という1点だけにとらわれ過ぎた感のある今年の春天。テーマが過熱しすぎている時こそ、意識的に俯瞰の立ち位置からレースを検討する必要があると思います。今回の反省点です。




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■コメント

■Re: 天皇賞(春)・短評 [Yoshi]

安東さん、ごぶさたしております。ライブやリハの合間を縫って(笑)、毎回拝読させていただいております。安東さんの、競馬に対する冷静で理知的な分析の積み重ねのおかげで、今回の天皇賞、個人的に過去最高の予想をすることができました。

本命をオルフェーブルとトーセンジョーダンの2頭軸とし、○がウインバリアシオン、▲ジャガーメイル、そして△にビートブラックの5頭で、馬連と三連複をダブルゲットすることができました~♪。

オルフェーブルは、逸走とその後の試験などの調教の乱れから、能力はもちろんあるものの、全幅の信頼はおけず、かつ大外に入ったことにより、なおさら慎重な競馬をするであろうことは予想できました。結果論ですが、走りを見ていて、4冠の疲弊からか「もうええかげんにしてくれ~~」と訴えているような感じにも見えました。

ウインバリアシオンは、オルフェーブルと肩を並べクラシック戦線を戦ってきた馬なので、オルフェーブルがくるとすれば、確実に上位にくるとは思いましたが、心配なのは武豊の騎乗のみでした。ただ、武豊は2・3歳戦とマイル戦は苦手とすると安東さんが著書で書かれていたとおりだと思いますが、京都では大外ブン回しでくるから侮れないと考えました。

トーセンジョーダンは、言うまでもなく歴戦の強者。このレース上、最も信頼のおける馬ですから外すわけにはいきません。

ジャガーメイルも、上がりは確実なので、これまた軽視するわけにはいきません。ただ、ギュスターヴクライは、安東さんの分析通り、経験と斤量の理由で消しにしました。


京都の長距離は、安東さんも言われるとおり、大逃げの番狂わせが忘れた頃にあります。ただ、一頭だけの大逃げで2400mなら逃げ切れるものの、3000m超だと無理だろうと思っております。今回の場合、ゴールデンハインドとケイアイドウソジンの2頭が、お互いに牽制し合いながら果敢に大逃げした場合、そのまま行くかもしれないと思い、実は一番怖かったのはケイアイドウソジンの存在でした。

ビートブラックは、菊花賞3着馬でもありますし、加えて3走前は京都2400mのGIIで掲示板には載っていますので、先行集団にとりつきさえすれば、あとは踏ん張れると思っていました。捨て身の好騎乗も光りましたね。石橋騎手には、心から拍手を送りたいと思います。


外枠に人気上位馬が集中した場合、常に警戒しなければならないのは内枠の実績馬と先行馬ですね。これも、安東さんの教えの通りだと思います。


今回は、データや馬の状態・展開が、すべて思った通りになったレースで、本当に嬉しかったです。これも、安東さんの分析のおかげです。ありがとうございました。

これからも、影ながら応援しています。お身体に気をつけて、続けてくださいね。

■Yoshiさんへ [安東 裕章]

お久しぶりです!
お元気でしたか?

久々にコメントをいただきましたが、いやあ、素晴らしいですね!!
的中、おめでとうございます!
「私のおかげ」などとはまったく思いませんが、なんだか、自分のことのように嬉しいです!(笑)

大逃げの番狂わせを考えると、Yoshiさんの言われるように、ゴールデンハインドとケイアイドウソジンの2頭に目が止まり、番手マークの馬ならばナムラかトーセンジョーダンが候補になるのですが、そこからもう一捻りしてビートブラックに注目されたところがお見事です!
終わってみれば「狙える馬」とわかる馬ほど、予想の段階でついつい逃しがちですからね。
いやあ、すごいなあ・・・!

これからも競馬を楽しんでいきましょう!
時間があるときには、またコメントをお寄せください。
Yoshiさんもお身体に気をつけてお過ごしください。
ありがとうございました!

■ビートブラックかぁ… [電気羊]

今年も淀でライブ観戦してきました。人垣の隙間からの覗き見でしたけど。

京都3200M戦。同条件のレースがないため1年多めに4年分を調べてみました。
ほとんどの馬がハイペリオン、あるいはセントサイモンとその子孫のプリンスローズ、リボー、ボワルセルというスタミナ系の血を持っていましたが、それ以外あまり傾向・偏りが見えず。
そこでさらに4年分の万葉Sの結果もチェック。
すると、万葉Sと天皇賞・春の血統的なリンクを発見!(衆知の事実ならごめんなさい)

08年
万葉S:3着サドラーズウェルズ系ドリームウェル産駒
→天皇賞・春:2着サドラーズウェルズ系オペラハウス産駒・メイショウサムソン

09年
1着アドマイヤベガ産駒
→2着アドマイヤベガ産駒・アルナスライン

10年
3着マンハッタンカフェ産駒・メイショウドンタク
→3着同馬

11年
1着キングズベスト産駒
→2着キングズベスト産駒・エイシンフラッシュ

そして今年の万葉Sは
1着クロフネ産駒(ゴールデンハインド)
2着ゼンノロブロイ産駒
3着アグネスタキオン産駒

Gハインドの万葉Sは展開に恵まれた感じがしたので、より人気のないZロブロイ産駒コスモロビンを!ないなぁと思いつつオルフェーブルとのワイド100円(笑)

リンク(?)はともかく、万葉S2・3着馬の母父はともにブライアンズタイム。今回の出走馬で該当するのは──

ビートブラック!!!

ロベルト系、とりわけBタイム、リアルシャダイの血を持つ馬は菊花賞でも繰り返し好走しており、自身も菊花賞3着の実績。前夜の検討会でも名前は挙げました。挙げはしましたが、いかんせん前走4秒負け。これは買えんなぁと(笑)
当日、購入直前も「調教時計はえぇ感じなんですよね。陣営も強気やなぁ」とか言いつつ、「でも4秒負けやもんなぁ」と結局自重してしまいました。

今回、「日経賞組1・2着馬。大阪杯・阪神大賞典組は1~3着馬を優先」という基準を設け、まずはオルフェーブル・ウイン・トーセン(逆転勝ちあり)。次いでヒルノ。これが当初の見立て。
しかしオルフェーブルが磐石に思えないことであれもこれもと迷いが生じました。
Bブラックを買う見識と度胸がなかったのも悔やまれますが、自分の予想の枠組みを崩したことが何よりの反省点。
むしろここを崩さなければ、Bブラックまで手が届いていたかも知れません。
まだまだ心が弱いです(笑)


■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。
コメント、ありがとうございます。

ビートブラック!!
うーん・・・、電気羊さん的には買えた馬だったんですね。
残念です・・・

「予想の枠組みを崩したことが反省点」というのは、よーくわかります!
普段通りの考え方なら当たっていたことってよくありますよね。
私も耳が痛いです!(笑)

■青葉賞は [電気羊]

ビートブラック、でもやっぱり買えたかどうか怪しいですねぇ。昨年の負け方は私も記憶にありましたから。
しかし複勝100円でもプラス収支だったかと思うと、あらためてもったいなかったぁ!

複勝と言えば、青葉賞でのエタンダールは締め切り直前に購入。負けを最小限に抑えられました。

当初は買い目に入れていなかったエタンダール。父ディープインパクト。母父はモンジュー、母母はネヴァーベンド系。
当日の陣馬特別(2400M戦)をチェックすると、勝ち馬の父はディープインパクト。母父はエリシオ、母母がこちらもネヴァーベンド系。
モンジューの父サドラーズウェルズ、エリシオの父フェアリーキングはいずれもノーザンダンサー×Fairy Bridge(ヘイルトゥリーズン系)。
つまりこの2頭の血統構成は非常に似ています。
しかし気づいたのはひと通り馬券を購入した後、しかも締め切り直前。複勝だけマークして買いました。
これほどわかりやすいケースを逃していたら、しばらく立ち直れないところでした(笑)

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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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