■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■宝塚記念・復習

現役最強馬の復活!
GⅠ・宝塚記念を制したのは、1番人気のオルフェーヴル。状態面が不安視される中での出走だったが、終わってみれば2着のルーラーシップに2馬身差をつける完勝だった。

レースは大方の予想通りネコパンチがペースを握り、1000m通過が58秒4の速い流れ。オルフェーヴルは中団後方でしっかりと折り合い、直線手前では馬群のバラけた内へ。手応え十分のまま先に抜け出したマウントシャスタを捉えると、そこから一気に加速して後続を振り切った。
陣営のコメントは「70%の出来」。たしかに、直前の気配からは昨年秋以降に見せていた“凄み”や“闘争心”は感じられなかったし、道中の走りも妙に落ち着きすぎているように見えた。それでも、直線で使った脚は明らかに他馬とは違う伸び方。特に、ゴール前100mからの加速力は、以前の“強さ”を彷佛させるものだった。状態面が完全ではなくてもこれだけの走り。この馬の潜在的な能力の高さを認めざるを得ないだろう。

もっとも、今回の結果を受けて「オルフェーヴルの完全復活」と手放しで喜べるかというと、意見が分かれるかもしれない。折り合いを気にせずに済んだ速い流れ。直線できれいに進路が開いた馬群の隊列。こうした展開がオルフェーヴルの好走を後押しした感もあるからだ。仮にペースがスローだったら、あるいは、前が詰まっていたら・・・。そう考えた時に、「それでもオルフェーヴルが突き抜けていた」と言い切れるかどうか。少なくとも、菊花賞や有馬記念の時のような“次元の違う走り”を期待していたファンにとっては、違和感を覚える内容だったのではないだろうか。

もちろん、オルフェーヴルの勝利を「展開に恵まれたもの」と言うわけではない。「一皮むけて大人の競馬ができるようになった」という意見もあるように、“強さの形”“強さの見え方”が変わったという解釈もできる。その意味でも、今後の走りには注目する必要があるだろう。「70%の出来」が「100%の出来」に戻った時、我々の前に姿を見せるのは“以前のようなオルフェーヴル”なのか。あるいは、凄みや闘争心を内に秘めて黙々とレースをする“以前とは違うオルフェーヴル”なのか。そして、それが本当に“強さの進化形”と呼べるものなのかどうか。秋へ向けての期待が高まったと同時に、我々競馬ファンにとって「今後のオルフェーヴルの走りと強さを見極める」という課題が生まれた一戦だったと言えるかもしれない。

2着は2番人気のルーラーシップ。
スタートで後手を踏んだものの、道中は徐々に前へ進出。直線では大外に持ち出して先頭に立ちかけたが、最後はオルフェーヴルの脚に内をすくわれた。
角居調教師は「上手にレースをしたし、力を出せた」とコメント。出遅れは痛かったかもしれないが、この馬の競馬ができたと評価していいだろう。残念に思えたのは、跳びが大きいがゆえに、大外をマクる形になってしまったこと。4コーナーで膨らみすぎた昨年(5着)と比べれば格段の進歩・成長を見せてくれたが、少なからずスピードを持て余している印象を受けてしまう。広くて直線の長いコース向きと思うのは、そのためかもしれない。
とはいえ、海外GⅠを勝ち取っただけの能力を見せてくれたのも事実。今後のローテーションは凱旋門賞の出否次第で変わってくるだろうが、個人的には秋天かJCの舞台でオルフェーヴルとの再戦を見てみたい。

3着は6番人気のショウナンマイティ。
最後方から進んで直線勝負。自分の競馬に徹して持ち味を発揮できた内容と言えるだろう。オルフェーヴルをマークするようにバラけた内を突いたのは浜中騎手のファインプレイ。全体的に荒れていた馬場状態を考えれば、コースロスをなくしてインを突く作戦は正解だったと思える。これまでとは違う速い流れに対応できたのも収穫だし、近走の充実ぶりが本物だったことを証明できたレースだった。
もっとも、この馬の末脚がより生きるのは、近2走のような瞬発力勝負の方かもしれない。陣営はすでに「目標は秋天」とコメントしているが、となれば、どれだけ長くいい脚を使えるかが課題になるだろう。持ち前のキレ味を持続する走りを身につけられるかどうか。4歳馬の成長に期待したい。

4着はウインバリアシオン。
『予習』の中で「岩田騎手の乗り方に注目」と書いたが、3コーナー手前から内目を進出する“自分から動く走り”を見せてくれた。ところが、直線で外に持ち出してからの伸びが案外。岩田騎手も「手応えは十分だったがもうひとつ反応してくれなかった」とコメントしている。
これについては、あくまで個人的な見方になるが、加速のポイントが“道中の進出”と“直線の追い出し”の2回に分かれたことで、馬自身の集中力が途切れたのではないかとも思える。オルフェーヴルを外から追い詰めたダービーの走りをこの馬本来の姿と考えるならば、仕掛けてからゴールまで一気に加速する形がベストなのだろう。言い換えれば、現時点ではまだまだ立ち回りに難があるということ。掲示板を外さない安定感はあるものの、条件に左右される面を解消することが今後の課題になりそうだ。

5着は3歳馬のマウントシャスタ。
斤量差があったとはいえ、これまでのキャリアを考えれば、大健闘と言っていいだろう。馬自身にとっても、貴重な経験になったに違いない。
内容も好位から直線で先頭に立つ正攻法。今回のような走りがこの先この馬の持ち味になるかどうかは定かではないが、大成すればトーセンジョーダンやアーネストリーのようなタイプになるかもしれない。池江厩舎がどのように育てていくか、注目したい。

4番人気のエイシンフラッシュは6着。5番人気のトゥザグローリーは12着。
エイシンフラッシュについては、休み明けのせいもあってか、テンションが高すぎたようだ。最初の直線から口を割って掛かりっぱなし。あるいは、仕上がり過ぎていた影響もあったかもしれない。もっとも、敗因がある程度はっきりしているだけに、順調な過程を経て参戦してくれば、マークが必要になるだろう。
一方、トゥザグローリーの評価は難しい。福永騎手は「湿度の高い天候がこたえたか」とコメントしているが・・・。『予習』には「多頭数の競馬では気性の悪さが出るタイプかもしれない」と書いたが、雰囲気自体は決して悪くはないように見えた。今後のことを考えると、狙いどころをどう判断すればいいか。『予習』の中でもふれた「ムラ馬」の部分がよりクローズアップされたようにも思える。

オルフェーヴルの状態面が不安視されたこともあって、波乱含みとも思われた今年の宝塚記念だが、終わってみれば“順当な結果”。勢い(=近走の内容)も加味して“能力上位馬”の決着だったと言えるだろう。
秋のGⅠ戦線を見据えた場合、掲示板に載った5頭のうち3頭が4歳馬、1頭が3歳馬という結果は興味深い。夏を越してさらに成長が期待できるからだ。と同時に、“最強世代”と呼ばれた現5歳馬たちにもリベンジの可能性も無視できない。
思えば、阪神大賞典の逸走、春天の大敗、そして宝塚での復活と、オルフェーヴル1頭に“振り回された”感のある今年の上半期。良くも悪くも「オルフェーヴルはスターホース」という余韻が残る春のGⅠだった。



スポンサーサイト

■コメント

■宝塚記念、実は… [電気羊]

今年の宝塚記念は残念ながら不参加となりました。急用でWINSに間に合いそうにないため馬友にメールをしたのですが、少し遅かったようで。
しかし結果的にはそれが幸いしました。ウインバリアシオン・エイシンフラッシュからでは外れでしたから。
実は最内2頭から入るかどうかでぎりぎりまで迷っていたんですよね。やっぱそっちかぁ。ならオルフェーブル‐ショウナンマイティのワイド的中──ま、「たられば」の話、って言うか、実際は買っていないから「たらればの、たられば」でしょうか。

えー、オルフェーブルについての私の見立てですか。安東さんの参考になるほど吟味してなかったんですけど(笑)

────

今まで“7、8割の出来だが大丈夫”といった類のコメントに何度か騙された身。「70%の出来」では無理でしょ、と思いました。

ただし、

○血統的には文句なし。

※ステイゴールド産駒というより、私はステイゴールドの母父ディクタスが阪神2200Mに合うのではと考えています。
あのヒシミラクルの父サッカーボーイの父親でもあります。
蛇足ながら、私の初馬券初的中が実はメジロマックイーン‐イクノディクタスで決着した宝塚記念なんです(笑)

○調教面で、坂路の全体時計が52秒5。数字上は好調時のそれで、ラスト12秒5は並としても不良ならまずまずか。

以上から、条件・状態面でわずかながらもポジティブに捉えられるかなという印象。
そして、芝コースで追い切りを行ったルーラーシップとフェデラリスト、その他ローテーション等からメンバーをふるいに掛けると、オルフェーブルの評価は4、5番手

────

まぁ、こんなところなんですが……


■書き忘れました [電気羊]

すいません、オルフェーブルの件でもう一点。

入った枠が中枠だったこと。
前2走に比べればプラスに働くかも知れないと。

オルフェーブルに関しては厳密には検討したわけではなく、「切ろうと思ったら、案外悪くはないなぁ。気持ちの問題で惨敗は大いにあるけど、馬の気持ちなんてわかりっこないしなぁ~」って感じでした。
いい加減でお恥ずかしい限り(笑)


■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。
コメントの返信、ありがとうございました!

今回、オルフェーヴルをどう判断するか、本当に難しかったです。
電気羊さんのおっしゃる通り、血統、調教、枠順などに関しては、プラス材料に違いなかったのですが、精神的な部分のダメージを考えると、そう簡単に走れる状態になるのかなあ、と疑ってみたりして・・・。

「切ろうと思ったら、案外悪くはないなぁ。気持ちの問題で惨敗は大いにあるけど、馬の気持ちなんてわかりっこないしなぁ~」

うーん・・・、やっぱり、これくらいの割り切り方が必要だったのかもしれませんね(笑)
考えすぎても正解にはたどりつけないというのが、今回の教訓だったようにも思います(もっとも、過去に何度も授かった教訓ですが・笑)

ありがとうございました!

■あらためて反省 [電気羊]

まさか安東さんに意見を求められるなんて!かなりこそばゆかったです(笑)

確かに「割り切り」という面もありますが、今回は春天のときのように、あれもこれもと目移りしなかったのも事実です。
普通に走ればオルフェーブルが一番強いはずでした。これが並みのG1馬ならもっと悩んだと思います。

なんて言ってると的中させたようですが、実際は買ってないし、買ってたら外していた可能性大。

今回中心視したのがウイン、エイシン、ショウナン。
(1)総じて大阪杯経由の馬が好走。

(2)ここ5年の宝塚記念、1~3着馬はいずれも4月下旬以降に出走歴あり。

(3)エイシンは休み明け今一つ。

これが頭に入っていながら、ショウナンでなくエイシンを選んだらあかん!(笑)しかもショウナンの方が人気薄なら尚更。半年前のグランプリでの美味しい記憶を引き摺っていたのか……。
この点は大いに反省です。

勝率はどうでしょう。メモは取っていますから区切りの良いときにでも。
■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

■トラックバック

■まとめtyaiました【宝塚記念・復習】

現役最強馬の復活!GⅠ・宝塚記念を制したのは、1番人気のオルフェーヴル。状態面が不安視される中での出走だったが、終わってみれば2着のルーラーシップに2馬身差をつける完勝...

カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

カテゴリ

プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。