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■秋華賞・復習

GⅠ・秋華賞は圧倒的な1番人気(単勝1.3倍)に支持されたジェンティルドンナが勝利を飾り、史上4頭目の牝馬3冠を達成した。

レースはヴィルシーナがペースを握り、向正面でチェリーメドゥーサが最後方から大マクリを見せる展開で、1000m通過が62秒2のスローペース。
ジェンティルドンナは中団の外目を追走。4コーナー手前では岩田騎手がムチを入れるほどの反応の鈍さを見せたが、直線でエンジンがかかると一気の加速を見せ、先に抜け出したヴィルシーナとの叩き合いの末、わずか7cm差で栄冠を手に入れた。
終わってみれば順当な結果とはいえ、“余裕の勝利”を予想したファンにとっては、肝を冷やすような“辛勝”。もっともこれは、ジェンティルドンナの走り云々ではなく、“完璧な競馬”を見せてくれたヴィルシーナを讃えるべきだろう。それゆえ、最後のハナ差は、ジェンティルドンナの底力の評価にもつながる。
ラスト3F地点でチェリーメドゥーサからヴィルシーナまでが6~7馬身。そこからジェンティルドンナまで4馬身。それがゴールの瞬間には後続に1馬身半差をつけるハナ差の競り合い。3冠すべてで1・2着となったジェンティルドンナとヴィルシーナだが、改めてこの2頭の力が抜けていることを実感させるレースだった。「時計的には平凡」という辛口の意見もあるようだが、最後の直線はともに全力を出し切る攻防。やはり、名勝負だったと言えるだろう。
今後の予定として、ジェンティルドンナはエリザベス女王杯とジャパンカップの両方を視野に入れているとのこと。JC出走となれば、場合によってはオルフェーヴルとの“3冠馬対決”の可能性もある。いずれにしても、ウオッカ、ブエナビスタに続く“名牝”として、牡馬混合のGⅠ戦線での活躍を期待したい。

2着はヴィルシーナ。
最内枠を生かしてハナへ。内田騎手は「ヨーイドンの競馬にはしたくなかったので、自分でペースを作ろうと思った」とコメントしているが、ジェンティルドンナの末脚を封じ込める作戦としては正解だっただろう。『予習』でもふれたことだが、ローズSで見せた後方からのマークは、2頭のキレ味の違い(=どれくらい前にいれば相手の差し脚を凌げるか)を測るための“試走”だったに違いない。
それにしても、今回のヴィルシーナは最高の走りを見せてくれた。自らハナを切ってペースを作ったこともそうだが、随所に内田騎手の“巧さ”が光っていた。
中でも、チェリーメドゥーサが大マクリから後続を一気に離した時に深追いしなかったことと、馬群を抜け出してから外目に持ち出したことは、好走のポイントだったと思われる。
特に、直線で外に持ち出したのは、後ろから来るジェンティルドンナに馬体を併せることを計算した緻密な作戦。『予習』にも書いたように、「併せる形になった方がいい」という馬の持ち味を十分に考慮した上での騎乗だった。実際、ゴール直前では、一旦引き離されそうになりながらも差し返すシーンも。最後は相手の“勝ち切れる底力”に屈した形だが、ヴィルシーナが前にいたからこそジェンティルドンナは能力を発揮することができたという見方もできるだろう。
これで4戦連続でジェンティルドンナの2着。今後もライバル関係が続き、名勝負を繰り広げていくことを期待したいが、一方で、ジェンティルドンナ不在のレースでこの馬の“正攻法から突き抜ける競馬”を見てみたい気もする。

3着には6番人気のアロマティコ。
道中はじっくりと脚を溜めて、直線で追い上げる競馬を見せてくれた。古馬混合の準オープンで揉まれた経験があったとはいえ、ここまでのキャリアを考えれば上々の結果。内枠の差し馬としてはベストの内容だったのではないだろうか。
ジェンティルドンナと同じ上がりをマークしながら着差を付けられたのは、現状での瞬発力の差に違いないが、『予習』でも書いたように「じっくりと馬を育てることで定評のある“佐々木晶厩舎=佐藤哲騎手”のコンビ」であることを踏まえれば、まだまだ今後の成長を期待できそうだ。
4着のブリッジクライム(11番人気)もなかなかの走り。アロマティコとの差はアイムユアーズを挟んで内に切れ込んだ分かもしれない。若干窮屈になったようにも見えた。
この2頭に関しては、差し馬に不向きのスローの団子状態になりながらも、しっかりと折り合って馬群を抜け出し、最後に脚を使えた点を評価したい。個人的に期待していた「昨年のキョウワジャンヌのような走り」を見せてくれたと思う。

大マクリから向正面で一気にハナを奪ったチェリーメドゥーサが5着。
掛かり気味の暴走のようにも見えたが、実際はスローペースを判断した上での小牧騎手の仕掛け。スポーツ紙等でも「レースにメリハリを与えたジョッキーの好判断」といった記事が目立ったいた。たしかに、この馬が動かなければ、1000m通過はおそらく63~64秒。ヴィルシーナの内田騎手が3コーナーからスパートをかけたかもしれないが、GⅠレースとして見た場合、物足りない内容になっていただろう。
さすがに最後は脚が上がったが、見せ場十分の走りは堪能できた。『予習』の中で先行馬について「外回りコースでよく見られる“大逃げ”をした方が展開的にも面白い」と書いたが、その役割を果たしてくれたようにも思える。

3番人気のアイムユアーズは6着。
1コーナーまでに好位につけ、直線でもいい位置にいたが、最後は伸びあぐねた印象。スタートから無理に脚を使ったようには見えなかったので、あるいは、距離的な問題もあるかもしれない。2400mのオークスでも4着に健闘したが、やはりベストは1400~1600mではないだろうか。立ち回りの巧さが持ち味の馬だけに、瞬発力勝負になった展開も不向きだった。
ただし、馬体そのものはかなり成長したようにも思える。ひとまずクラシック終了を区切りに考え、マイル路線中心という使い方にしていけば、今後の活躍を期待できるだろう。

その他の馬に関しては・・・。
ミッドサマーフェア(5番人気11着)とハナズゴール(8番人気11着)は、何よりも状態面を戻すことが先決。どちらも春に能力の片鱗を見せてくれた馬なので、復活を期待したい。
今後、楽しみに思えたのは、サンシャイン(7着)とラスヴェンチュラス(10着)。
サンシャインはオークス以来のレースだったが、春に減り続けた馬体をしっかりと戻してきた。そつなくレースを運べるタイプのようなので、経験を積んで“勝てる武器”を身につければ伸びてきそうだ。
ラスヴェンチュラスは4コーナー最後方からメンバー最速の上がり(32秒9)をマーク。今回は外に持ち出せずに内を突く形になったが、展開がハマれば大外一気で差し切れる末脚の持ち主だろう。馬体の回復(今回もマイナス2キロ)がカギだが、馬場状態が味方するようなレースに出走して場合に“狙って面白いタイプ”かもしれない。


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■コメント

■勉強になります [うに]

こんばんは。
『秋華賞・復習』読ませて頂きました。安東さんの見解には感服です。何度も読み返してしまいます。
G1の間だけ専門誌を読んでいますが、安東さんの記事の方が分かりやすいです。それに熱さが伝わってきます。
私の中でヴィルシーナの株が上がったのは、言うまでもありません。こんな強い馬を軽く見ていたなんて、ホントにどあほうでした。


菊花賞の出走予定の馬柱表から、何か無いかと探していますが、結局、枠に因るところが大きいですよね。
1枠に、どう考えても“無い”馬が入ったら、どないしよお~!
私の心を誘惑するような枠順にだけは、なって欲しくないです(笑)。


■うにさんへ [安東 裕章]

こんばんは。
コメントありがとうございます!
ブログを評価していただいて大変恐縮です。

菊花賞は残念ながら不参加。
予習ブログを書けなくてすみません。
難しいレースだと思いますが、がんばってください!
ご健闘をお祈り申し上げます!
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プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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