■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■天皇賞(秋)・復習

天皇賞・秋を制したのは5番人気のエイシンフラッシュ。2010年のダービー以来となる実に2年5ヶ月ぶりの勝利で、GⅠタイトルを手にした。

レースは予想通りシルポートが引っ張り1000m通過が57秒3。大きく離れてカレンブラックヒルとダイワファルコンが並走。さらにそこから離れたところにフェノーメノという隊列になった。
勝ったエイシンフラッシュは向正面で中団のインをキープ。4コーナーから直線を向くと最内から一気に伸びて、外のフェノーメノに半馬身差をつけてゴール板を駆け抜けた。
『予習』には「デムーロ騎手には要注意」と書いたが、それにしても、素晴らしい騎乗だった。インを突いた大胆さに目を奪われがちだが、何より評価したいのは“一瞬のキレ味を最大限に生かす乗り方”だったこと。道中、内に潜り込み、最短距離を通って溜められるだけ脚を溜めたことが勝利につながったように思える(そういえば、昨年の有馬記念2着の時も、ルメール騎手が内々で脚を溜める競馬をしていた)。
陣営のコメントによれば、今後はJCから有馬記念という王道ローテを使いたいとのこと。これまでは“ダービー馬らしからぬ凡走”も目立っていた馬だが、今回のレースで「タメが利けば末脚はキレる」「乗り方次第で力を発揮できる」ことが証明されたとも言えるだろう。大舞台での復活を祝福するとともに、今後の活躍に期待したい。

2着は3歳馬のフェノーメノ。
見事なスタートを決め4番手を追走。最後の最後にエイシンフラッシュの内からの急襲に屈したが、この馬自身も非の打ちどころのない完璧な競馬を見せてくれたと思う。古馬との初対戦だったGⅠの舞台で、これだけのレースができたことは高く評価すべきだろう。
今後の課題をあげるならば、集中力の持続だろうか。抜け出して1頭だけになった時に、わずかながら気を抜くような走りになる。前走のセントライト記念の時も、スカイディグニティに迫られていた。
ともあれ、まだまだ成長が見込める3歳馬。現時点でもかなりの完成度を見せてくれているが、どれだけ強くなるのかという楽しみを感じさせてくれる一戦だった。

3着は大外から追い込んだルーラーシップ。
出遅れ気味のスタートで後方の位置取りに。そのため、外々を回って直線勝負に賭けるしかなかったようだ。
最後はメンバー最速タイの33秒1の上がりをマークし、能力の片鱗を見せてくれたものの、ゴール前の勝ち負けに加われなかったことは、やはり“不完全燃焼”の感がある。結果として、この馬はゲートが課題ということを露呈した一戦だったかもしれない。
もっとも、今回は休み明けでプラス18キロの馬体重。スタートのもたつきはその影響があったという声もある。ベストの条件と思われた東京2000mを取りこぼしたのは痛いだろうが、次走予定のJCでは“1走使った上積み”を期待したい。

4着はダークシャドウ。
こちらも“東京芝2000mでこその馬”だったが、馬券に絡むこともできなかった。福永騎手いわく「状態はすごく良かった」。ならば、力負けなのだろうか。
『予習』の中で「札幌記念の時は覇気がなかった」と書いたが、個人的には、今回も今ひとつピリッとしていない印象があった(一部の競馬評論家からも「ベストの状態ではなかったのでは?」という意見が出ている)。あるいは、多くの前例があるように、この馬も海外遠征で調子を崩して手間取っているのかもしれない。今後のローテーションには注意する必要があるだろう。

デビュー以来負けなしだったカレンブラックヒルは5着。
この馬の敗因については「距離」という見方が多いようだ。外枠から好位をキープするために使った脚も含めて考えれば、たしかにそうかもしれない。ラスト100mで力尽きたという印象だった。
加えて、道中は常にダイワファルコンと並走。『予習』の中で「至近距離に馬がいる状況を嫌がるタイプではないか?」という問題提起をしたが、もしかしたらこの馬にとっては厳しい展開だったかもしれない。
平田調教師も敗因は距離との判断を下しているらしく、今後はマイル戦線に向かうプランが濃厚だという。揉まれる競馬になった時はどうなのか。瞬発力勝負になった時はどうなのか。“強いマイラー”としての成長を期待しながら、今後はそのあたりに注目していきたい。

最後に今回の反省点。
『予習』では「シルポートの作るハイペースに対応できるかどうか」をレースの大きなポイントとして考えたのだが、実際はシルポートが大逃げを打っても後続のペースは速くならなかった。番手にいたカレンブラックヒルにしても、1000m通過は59秒台だっただろう。
後続の馬群のペースが上がらなかった一番の要因は、各ジョッキーに「逃げ馬・シルポートには2000mは長過ぎる」という判断があったからだと思われる。だから深追いはしない。レース自体はハイペースと記録されても、後続のペースはスローだったということだ。
1着のエイシンフラッシュも2着のフェノーメノも、『予習』の中では「ペースが合うのか?」と懸念した馬。「シルポートがどんなに逃げようが後続は自分のペースで進む」と判断できていれば、そうした懸念は必要なかっただろう。このあたりは大いに反省しなければならない。


スポンサーサイト

■コメント

■質問です。 [うに]

こんばんは。

外野がとやかく言うのも何だと思いますが…

カレンブラックヒルは今回の一戦で、「2000mは長い」とレッテルを貼られた感じになってしまいましたが、ペース次第ではこなせないこともないのでは…と疑問に思っています。

経験の無い距離でのG1で掲示板なんだから、悪くないと思うのですが。

以前、「距離はペース」とおっしゃっていた安東さんにぜひ、お答え頂けたらと思います。


早々に見限るのは、ちょっと勿体無い感じがするのですけど、マイルの方が爆発力が違うのかなあ…


■うにさんへ [安東 裕章]

コメント、ありがとうございます。

さて、ご質問の件ですが・・・
カレンブラックヒルの距離適性に関しては、今の時点ではまだ判断できないと思います。
ただ、秋天に関して言うならば、離れた番手から直線でシルポートを捕えたところまでは、この馬の“勝ちパターン”に見えました。
にもかかわらず、最後に交わされたということは、少なからず「距離」の問題があるのかな?とも思えます。
もっとも、カレンブラックヒルを抜き去った馬たちは、いずれも2000mがベストのタイプですから、うにさんのおっしゃるように、掲示板を確保したこの馬自身の走りは評価できるでしょう。
2000mをこなせるかどうかという基準だけで考えれば、こなせると思います。

ブログで何度も繰り返していることですが、私自身が「カレンブラックヒルの今後の課題」と考えているのは、距離とは関係なく揉まれる競馬になった場合です。
これまでのレースでは、自分のポジションをキープできていましたが、好位集団が団子になるような展開ではどうなのか?
馬群をこじ開けて後続を突きはなすような走りができるのか?
毎日王冠と秋天は、どちらも“シルポートが離して逃げてくれたレース”ですから、ある意味、この馬向きのポジションを取りやすい展開だったと思います。
異なる状況でも自分の競馬ができるかどうか。
そこではじめて、この馬の評価が固まってくるのではないでしょうか。

■専門誌はもう要らないかな~ [うに]

安東さん、質問に答えて頂いてありがとうございます。

専門誌では、カレンブラックヒルは距離を克服できるかどうかばかりに集中していて、安東さんが提起された「揉まれる展開」については触れられていませんでした。私も同様にしか考えてなくて、今回もまた、勉強させて頂きました。

一手二手先、いや十手先を読む安東さんの予想には、本当に頭が下がります。


安東さんに直接教えて頂けるなんて、本来なら有り得ない事ですよね。
本当にいつも、ありがとうございます!

■うにさんへ [安東 裕章]

コメント、ありがとうございます。
でも、ホメすぎです!(笑)

結局のところ、まだ3歳のカレンブラックヒルについては、適性を判断するだけのキャリアを積んでいないということですね。

今週は休ませていただくので、留守番よろしくおねがいします。

■エイシン、勝ちましたね! [電気羊]


エイシンフラッシュ、久々に見事な勝ちっぷりでした。
前夜の検討会、「エイシン、距離が延びるのは確かにいいけど、まだ足らん気がしますねぇ」とか「東京2000、ピンと来ないなぁ。イメージが合わんて安東さんも書いてるし……」とか言ってたんですけど(笑)

事前予想では、実績に加え母父トニービン(父の父トニービンのトーセンジョーダン、カンパニー。母父トニービンのアーネストリー)のルーラーシップが最有力。
次いでコース・距離適性、順調度からフェノーメノとの見立てでした。
ただRシップの馬体増と調教での遅れは大いに不安。
カレンブラックヒルは距離と枠を懸念。ダークシャドウも絶対の信頼は置けず、ナカヤマナイトは中山向きのイメージ。
かといって人気薄にもピンと来ず。締切までに買い目が決まるか心配でした。

しかし当日の2000M戦の結果から、あっさり答えを出すことに。
7Rの勝ち馬が父キングスベスト。これで狙い馬はエイシンフラッシュに決定!
この馬の母父、もう一鞍(4R)の勝ち馬も母母父ダンジグ系(Danzig、個人的には独語読みのダンチヒが好みです)だったので、母父デインヒルのフェノーメノ。
次にダークシャドウ(母母父ダンジグ。4R3着馬母父ダンスインザダーク)。
7Rの3着馬が12番人気のキングカメハメハ産駒だったこと、海外遠征帰りの宝塚記念でもあっさり2着した力を考えRシップを(序列は4→12→13→6)。

ジャスタウェイや、サダムパテック(今開催、フジキセキ産駒が2000M戦で好走)も気になりましたが、結局人気上位6頭で決まりそうに思え5番手にナカヤマナイト。
カレンブラックヒルは6番手。ダイワメジャー産駒が前日、当日とも好走していたので念のため買い目に入れました。

馬券は上位4頭の馬連ボックスと、上位3頭中心のワイドを。フェノーメノからエイシンとダークへのワイドは買い足しました。
馬連とワイド3点的中。今回は配当面も満足です(笑)

スプリンターズSもそうでしたが、当日の同距離戦が大きなヒントになり、本当にラッキーでした。


■電気羊さんへ [安東 裕章]

こんばんは。
コメント、ありがとうございます!

エイシンフラッシュ、ピンとこなかったんですけどね~(笑)
いやあ、まいりました!!
なるほど、当日の同距離戦にヒントがあったわけですね。
うーん・・・狙い方が巧いなあ~

ともあれ、的中、おめでとうございます!
なかなかいい感じになってきましたね!

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

カテゴリ

プロフィール

安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。