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■高松宮記念・予習

春のスプリント王を争うGⅠ・高松宮記念。今年は例年以上の混戦模様で、前日売りの時点で3連複の1番人気は30.7倍、3連単では112倍がつくほどの人気の割れ方になっている。出走馬の取捨選択・買い目の決定に関しても、さまざまな角度からの検討が必要だろう。

昨年秋のGⅠ・スプリンターズSの優勝馬で、実績面で最も高く評価できるのがスリープレスナイト。1200mの距離では現在8連勝中。ダートから芝へ路線変更を行った昨年の6月以後は、GⅢ・CBC賞→GⅢ・北九州記念→GⅠ・スプリンターズSと重賞を3連勝し、一躍スプリント界のトップへ駆け上がった。前売りの単勝オッズは3.5倍(1番人気)。競馬ファンは“レースの中心はこの馬”という見方をしているようだ。
マイナス材料は言うまでもなく6ヶ月の休み明けでGⅠを使うこと。しかも、外傷やじん麻疹といったアクシデントが原因であるため、ローテーション的にはかなりの誤算が生じている(予定していた香港遠征やドバイ遠征を自重)。実力通りの走りができればアッサリ勝っても不思議ではないが、状態面での不安がある以上、やはり全幅の信頼は寄せづらい。

スリープレスナイトが勝ったGⅠ・スプリンターズSで2着に入ったキンシャサノキセキ。昨年のこのレースの2着馬でもある。この馬の場合、前哨戦として使った前走・オーシャンSの10着をどのように評価するかがポイントになるだろう。たしかに、休み明けで余裕残し(10キロ増)の馬体、差し脚を活かせない道悪馬場といった不利な条件が重なったことは事実。しかし、たとえ叩き台のレースでもそれなりの結果を出せないようでは、GⅠで勝ち負けを期待できる馬としては物足りない。
今回はブリンカーを着用するとのことだが、これについても2通りの考え方ができる。「勝つためにさらに集中力を高めるための作戦」なのか、「調子が上がらないことを補うための窮余の策」なのか。普通に考えれば、休み明けを1戦使ったことで上積みが見込め、前走以上の走りを期待できるはずなのだが・・・。

一方、休み明け初戦でキッチリ結果(GⅢ・阪急杯1着)を出したのがビービーガルダン。昨年夏の北海道シリーズから頭角を現わし、秋のスプリンターズSでは3着という結果を残している。前走でそれまで苦手としていた阪神コースを克服できたことは、馬自身に脚質や精神面での上がり目があることを証明したと見なすこともできる。
3月に施行時期が移ってからの高松宮記念の傾向のひとつとして、“前走、阪急杯で5着以内に好走した馬が9年連続連対”があげられるが、その点からもビービーガルダンに期待する声は大きい。
問題は騎手の乗り替わり。主戦の安藤勝騎手がドバイ遠征のため騎乗ができないため、今回は代役として武幸騎手のテン乗りとなる。お手馬度が高かっただけにGⅠの大一番での乗り替わりには一抹の不安がある。さらに、8枠16番という枠順も先行するこの馬にとってベストとは言えない。スタートで好位置を取るためには多少なりとも脚を使わなければならない。仮に、外々を回らされ続けるようなレース展開になった場合、この馬の力を発揮できないまま終わることも考えられる。

阪急杯でビービーガルダンから0.2秒差の2着だったローレルゲレイロ(昨年の4着馬)。同型のサープラスシンガーが除外になった時点で“逃げ宣言”を発した。陣営のコメントによれば、「昨年は阪急杯で結果が出たのでその勢いで高松宮記念を使ったが、今年は最初からここが目標」とのこと。つまり、調整過程が違うということだ。鞍上は藤田騎手。外寄りの13番ゲートではあるが、強引にハナを奪い、この馬のペースでレースを進めることは容易に想像がつく。現在の中京の馬場は前が残りやすく外差しが決まりにくいだけに、買い目としては押さえておくべきかもしれない。

実績馬として名前をあげるならば、昨年のこのレースを制したファイングレインもその1頭だ。前走の阪急杯は休み明けで59キロを背負って11着。本来ならば、ここで変わり身を・・・と期待したいところだが、前年の高松宮記念を勝って以降は一度も連対がなく、残念ながら以前の勢いは感じられない。昨秋のGⅠ・マイルCSでは3着に入ったが、これは“1200m戦のスピードでは追走できなくなった馬が、距離延長の緩いペースがプラスに作用して差し脚が決まる”というパターンの典型だろう。一変の可能性はゼロとは言えないが、スプリンターとしてのピークは過ぎた感がある。

中京芝<3.0.2.2>の実績を持つアーバンストリート。前走のシルクロードSでは、54キロのハンデとはいえ、大外から末脚を繰り出して重賞初制覇を成し遂げた。今回、57キロに斤量は増えるが、得意のコースで戦えることは間違いなくプラス材料だ。
もっとも、一線級が顔を揃えるレースへの出走は今回が初。揉まれる競馬になった時にスムースに抜け出してくることができれば好勝負になっても不思議はない。このGⅠはアーバンストリートがスプリント路線の主役クラスになれるかどうかの試金石と呼んでもいいだろう。

重賞勝ち馬がその都度変わり、中心馬が不在と言われるスプリント路線。となれば、先にあげたアーバンストリートも含めて新勢力にも注目したい。
中でも競馬ファンから最も期待されているのがファリダット。母はスプリント女王のビリーヴで、デビュー時から常に人気を背負ってきた馬である。ただし、近走の成績が示す通り、この馬のウイークポイントは“勝ち切れない”こと。末脚で勝負するタイプだけに、どうしても展開に左右されてしまう。
京都金杯(1600m)→阪急杯(1400m)→今回(1200m)と、徐々に使うレースの距離を縮めていくローテーションには工夫が見られるが(昨年のキンシャサノキセキもこのローテ)、ローカルの小回りコースでこの馬の能力が発揮できるかというと、多少なりとも疑問である。今後のスプリント戦線の主役候補として名乗りを上げてもらいたい1頭ではあるが・・・。

それまで得意としていた芝1600m・1400mから、1200mに距離を短縮して2連勝の結果を残したアーバニティは、一気にGⅠの舞台に上がるまでに至った。スタートダッシュに難はあるものの、直線で抜け出してからの“ひと伸び”には非凡なものがある。
前走のオーシャンSでキンシャサノキセキを下しているとはいえ、目イチ仕上げの一線級と対戦するのは今回が初。GⅠのタフで速い流れの中でこの馬の競馬ができるかがポイントになる。
さらに、連闘後、中2週という使い方がどうなのか・・・。勢いがあり、昨年のファイングレインをイメージさせるものもあるだけに、狙ってみたくなる1頭には違いないが、過信は禁物かもしれない。

デビューから9戦して<4.3.1.1>という安定した成績を残しているドラゴンファング。本来、1400mがベスト距離だが、先行力と抜け出してからさらに後続を引き離す加速力は、1200mでも通用する可能性がある。前走の阪急杯は3着だったが、1・2着馬にはかなり離されていた。矢作調教師は「東京遠征の疲れが残っていたためで、今回は万全」とコメントしている。スプリントGⅠの流れにスムーズに乗れればという条件はつくが、脚質的には前述の2頭(ファリダット、アーバニティ)よりもこのレースに向いているのではないだろうか。

穴馬を絞ることは難しいが、今開催の中京・芝1200mの人気薄激走のパターンをひとつあげておきたい。それは、ラチ沿いのインから抜け出してくる差し馬である。例としては、3月22日に行われた、1600万下・トリトンSで、最内を突いて2着に入った11番人気のエネルマオー。
条件は内枠に入っていること。つまり、外に持ち出さずに内を突く位置で競馬ができるタイプである。今回の高松宮記念では、ソルジャーズソング、アポロドルチェ、トウショウカレッジがその候補になりそうだ。また、差し馬ではないが、1枠1番に入ったコスモベルも、立ち回り方ひとつで内から抜け出してくる可能性がある(同じ1枠1番に入ったオーシャンSと同じ走り)。

最後に、『競馬のツボⅡ』に書いた、“東京芝1600mで好走した馬は、相似コースの中京芝1200mでも好走の可能性が高い”の項目にあてはまる馬を列挙しておこう。

 アポロドルチェ  OP・いちょうS3着
 トウショウカレッジ  GⅢ・冨士S3着
 キンシャサノキセキ  GⅠ・NHKマイルC3着、OP・キャピタルS勝ち
 ファイングレイン  GⅠ・NHKマイルC2着
 アイルラヴァゲイン  GⅠ・NHKマイルC3着
 ローレルゲレイロ  GⅠ・NHKマイルC2着、GⅢ・東京新聞杯勝ち
 ドラゴンファング  500万下勝ち (東京芝1400mでは2勝2着3回)
 アーバニティ  1600万下・紅葉S3着

このうち、キンシャサノキセキ、ローレルゲレイロ、ドラゴンファング、アーバニティの4頭の芝1600mの持ち時計は、東京コースで記録されたものである。


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安東裕章

Author:安東裕章
東京都出身。2007年11月に書籍『競馬のツボ』、2008年7月に『競馬のツボ2』、2009年7月に『競馬のツボ3』を発表(いずれも総和社刊)。

このたび、拙著『競馬のツボ』を刊行していただいた出版社・総和社様の勧めもあって、ブログを始めることにしました。
競馬における一番の楽しみは、レースについて考えること。つまり予想です。
このブログを書くことで、自分でも週末のレースに向けてイメージを膨らませる訓練になるかと思います。
競馬について考えることが好きな皆様。レース予想に疲れて気分転換をしたい時など、よろしければフラッと遊びに来てください。

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